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大工ツールコレクションⅥ part1
何気にたけしクンに聞いてみたところ、大工さんのイメージってなにやら木の台の上で材木を削っている姿の人ってことらしいです。しかも大工の名前はみんな『ゲンさん』(おいおい・・・)。
あなた、まさかパチンコやってました(笑)?
まぁ『ゲンさん』と呼ばれる大工さんは全国に大勢いらっしゃるでしょうが、木の台の上で削り物をしている『ゲンさん』となると意外と少ないかもしれませんね!?
という訳で、今回の大工ツールアイテムは少数派『ゲンさん』が材木を削るための道具【鉋(かんな)】をご紹介致します!!
数ある大工ツールの中でも【鉋(かんな)】はある意味異彩を放つ特殊な存在です。
削り台の上で大工さんの手元からフワリとした鉋屑が花吹雪のように舞い上がる様は、確かに見ていて気持ちの良いものです!
パフォーマンスとしても地味にコツコツと【鑿(のみ)】を叩いているよりも多少なりとも華がありますよね(笑)。
ですがこの【鉋】という道具(ツール)、使いこなすには誠に難儀な代物でもあります。
鉋の基本的なフォルムは写真にあるとおりなのですがこの見た目に騙されてはいけません!
実はこの形状のディテール(細部)にたくさんの秘密が隠されています。
まず鉋の刃。
これが切れるようにスパッと研いであることが最低条件です。それと木材を仕上げるための最適な刃角度。さらに限りなく左右均一な刃幅。
さらに付け加えるならば限りなく左右均一な刃の両端部が百分の1ミリほど引っ込んでいること。(※これは幅広い材料を削るときに鉋刃が通過する両端に細かな筋跡を付けないためです。専門用語を使わしていただけるなら「耳が立つ」といいます)
よく見ると鉋刃に抱き合うようにしてもうひとつの刃が装着されています。
これは《裏金(うらがね)》と呼ばれる刃で表刃である鉋刃を抑えつける役目を果たします。(この刃は切れません!)
この《裏金》のセットされる位置によっても削った仕上がり具合が左右されます。またまた専門用語で言わせてもらうと『逆目(さかめ)』が止まるか止まらないかと言うことことです。
『逆目』というのは木目の向きが、ある部分だけ反対になっている箇所を指します。
鉋で材木を削る場合、木目の流れを見極めながら削る方向を選択しなければなりません。
見極めて、良しと思っても『逆目』があると《裏金》のセットの仕方次第ではきれいに仕上がりません。
だいたい鉋刃より0,1ミリから0,3ミリ程度引っ込めてセットするのが一般的です。微妙ですよ、この数字は・・・(笑)。
で、さぁ削ろうかというと、まだまだ調整しなければならないことがあります・・・(^^;)。