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ハウスメーカーと工務店の違いⅠ
今回はハウスメーカーと工務店の違いについて考えてみたいと思います。
何を隠そう私(専務の斉藤)は某大手鉄骨系(今は木造もやっていますが)ハウスメーカーに勤めていたこともあり、多少なりとも内部事情も知っているので、個人的な意見も入るかもしれませんが、良い悪いは別としてちょっと考えてみたいと思います。
まずハウスメーカーの強みはなんと言っても資本力です。その資本力を生かして、住宅展示場を展開しているのは目に付くところでしょう。また、広告宣伝といったところも非常にお金を掛けているところでもあります。家を建てようと考えたときにまずぱっと目に浮かぶのがハウスメーカーというのはそんな広告宣伝力があるからではないでしょうか?
しかしながら、この展示場、広告宣伝には莫大な費用がかかるのも皆さんご存知でしょうか?展示場の出展費(地代)建設費、維持管理費などかなりの費用がかかりますし、広告宣伝費に関してはテレビCMしかり、雑誌やチラシなど年間数億円です。
対して工務店はどうかというと、一口に工務店と言っても1人親方でやっているところから年間100棟以上施工するビルダークラスまでさまざまですが、ここでは社員10人前後の
(弊社ぐらいの規模)の工務店と比較したいと思います。
当然?展示場はありません。ですから実際の現場を見ていただくしかありませんが、よく耳にするのは、展示場は大きすぎて現実味があまりない。実際のお宅を拝見することで生活のイメージが出来るとおっしゃる方も多く見受けられます。
また広告宣伝にも多くのお金を掛けられません。仮にお金を掛けたとすれば当然お客様の単価に跳ね返ってきてしまいます。近頃ではインターネットのホームページというものが出てきたので昔に比べれば皆様に知っていただく機会が増えたとは言えますが、一番のCMはお客様からの口コミです。今流行りのTwitterやfacebookもインターネット上の口こみ
といえるでしょう。利害関係のない第3者が言う言葉には信憑性があるのでしょうね。
上記のようにハウスメーカーにはさまざまな宣伝ツールが揃っていますので、完成がイメージし易かったりするかも知れません。我々は写真だったり、現場だったりとお伝えする材料が少ないのでイメージしにくいかも知れませんが、二つとして同じものは無いので出来上がったときの感動もひとしおかと思います。
ハウスメーカーの良い点として、大手だから安心という方がおられました。確かに倒産さえなければ、保証の面などしっかりとしているでしょう。しかし皆さん漠然と大手企業だから安心と思われているかと思いますが、細かい対応はどうでしょう。担当していた営業マン、現場監督が移動や転職でいなくなってしまったり、大手ゆえに決済が遅れて対応が悪くなったりということがないでしょうか?その点地元の工務店は何かあればすぐに飛んでいける距離にあります。保証の問題も今は瑕疵担保責任の履行が法律で義務付けられていますので、工務店が万が一倒産のときでも消費者が守られる仕組みが整っています。
さて、今回はこのくらいにしておいて次回のコラムではもう少し掘り下げていきたいと思います。