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建築あるある秘帖4【変更という名のカタストロフィー】
日常生活において【変更】という局面はさほど無いような気がする。思い当たるとすれば、今夜の飲み会が誰かの都合により延期、若しくは中止になるとか、急な発熱、腹痛により学校、会社を休まなければならなくなったとか、今晩の夕飯のおかずがハンバーグを予定していたのにスーパーに行ったらメンチカツが異様に安く売られていたので急遽、そちらへシフトチェンジとか・・・。
まぁ日々の生活の中ではそうしょっちゅうあるものではない。だが、建築現場における【変更】というものはかなりの頻度で起こる現象なのである。
なぜなのか?
それは打ち合わせの段階では2次元の平面的な世界でモノを決めているのに対し、実際に家が建てられる世界が3次元の世界であり、ごく稀に、4次元の世界に迷い込む時もあるからだ(^_^;)。
実際、立体的に家が出来て来ると元々イメージしていたものとのギャップというのは自ずと生じて来るものである。そこでの【変更】。現場の人間はそれこそ”あるある”なので慣れたものなのだが、それでも作ってしまったモノの【変更】は切ないものである。だからと言って【変更】は一切出来ませんと言ってお施主様にとっては後々悔いが残ってしまうのもどうかと思うし、難しいところだ。
材料発注前の変更ならいくらでも対処出来るし、金額も発生しないので問題無いのだが、発注後の変更となると金銭が絡んで来るので何かと厄介である。それこそ4次元的に過去に戻りたいところだ(^_^;)。
【変更】が無いようにするにはいかに完成形のイメージを的確にお施主様に伝えるかがポイントである。より具体的に、なおかつビジュアル的にイメージしやすいようにお施主様と事前に打ち合わせする以外方法はないのだが、それでも人間には”気が変わる”という精神機能が内蔵されているのでキッチリ割り切るというわけにもいかない。
ただ【変更】はこの業界につきものなのでお施主様は我慢せずに自分の思いを工務店に伝えたほうが絶対に良い。その後どう対処するかは話し合いで決めればいいことなので・・・。
今日のおかずはやっぱりハンバーグにしたい、とレジ待ちでふと気が変わり変更するということもないではない(^_^;)。建築現場も同じである(たぶんだが・・・)。