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建築あるある秘帖3【開けてビックリ・・・】
「開けてビックリ玉手箱」という言葉がある。
確かに開けていきなり白い煙が出てくればそりゃビックリする。だがそもそも”玉手箱”とはなんぞや? 玉など何処にもないではないか(笑)?
第一、白い煙に包まれたら青年が老人になってしまうというところからして怪しい! まだ青年なら良しとする。これがたまたま老人が”玉手箱”なるものを開けてしまった日にはどうなってしまうのだ!? 想像するだけで恐ろしい。
もうビックリする間もなく あちらの世界に行ってしまうか、還暦という言葉もあるように赤ちゃんを経た後、青年に戻れるのか?
そんな謎に悩みつつ、建築の「開けてビックリ」の”あるある”である。
今回のケースはリフォーム現場で遭遇することの多い”あるある”だ。浴室や洗面所の改修工事の場合、水漏れによる不具合というものが多々ある。根本の原因を究明するために該当箇所の壁や床を一度壊さなければならない。
水廻りのそのような場所を壊して開けてみると、たいてい土台や柱が水漏れによる腐食で無くなっている場合が多い。こちらも想定しているとはいえ、物の見事に元の形状を留めていない柱や土台を実際に目の当たりにすれば少なからずビックリする。
どのような科学変化の末にそのような状態に至るのかというほどに固かった木が泥状に姿を変えている。こうなると下地として用をなさないので差し替えるしかない。
厄介というか、さらに驚愕せざるを得ない状況というものがある。壁や床を捲った際に、かつて柱だったり土台だったりしたものに白い粒々がびっしりと張り付き、しかもそれが何やらもぞもぞと蠢いているという悪夢的シーンに遭遇したときだ。思わず悲鳴を上げたくなる!
【シロアリ】である。
彼らはしっとりと水気を含んだ木が大好物なのだ。1匹、2匹ならまだ許せるがその数たるや千匹単位だ。もうそうなると薬剤による駆除しかない。彼らに悪気はないのだろうが見つかったのが運の尽き。おとなしく成仏していただく。
開けてビックリといえば、梱包を開封してみたら頼んだ材料と違うものが入っていたというケースなどは”玉手箱”ほどではないにしても確実に寿命は縮んでいるはずである(^_^;)。