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家づくりコラム
建築士のつぶやき

本当にいい家とは

近年住宅の性能は飛躍的に向上しています。耐震性能、断熱性能などがわかりやすい例かもしれません。長期優良住宅という制度も出てきて、より性能のよい住宅が求められるようになりました。ではそのような性能をすべてクリアーした家が「本当にいい家」なのでしょうか?

もちろん性能の良さが、いい家の要素の一つであることは確かかもしれません。
このようなことを考えるときに、よく昔の一般の人の住まいはどうだったのかと、思いを巡らせます。昔の住宅と現代の住宅とは単純に比較は出来ませんが、今と比べると、耐震性能、ましてや断熱性能などは比較にならないほど劣っていたはずです。しかしながらその人が我が家に対していい家だったと思えることはたくさんあったのではないでしょうか?
自然や気候と向き合い様々な工夫をして家造りをし、そこで家族が笑ったり泣いたりしながら成長をしていく。そして、愛着の持てる家に、家そのものも成長していくのが本当にいい家ではないかと感じます。
「死ぬときは畳の上で死にたい」という言葉をよく耳にしますが、それはどの畳の上でもいい、ということではないはずです。恐らく、自分の家で最期を過ごしたいということではないでしょうか。
その人はきっと自分の家に愛着を持っていたのでしょう。最期を迎える時に改めていい家だったと思ってもらえるような、そんな家造りをしていきたいと思います。

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建築士のつぶやき

建築用語マニアック辞典

はじめまして!多摩市 斉藤工務店の設計士をしているSといいます。
我々建築業界に携わる者が、普段仕事の中で使う用語には一般の方々にはあまり馴染みのない用語が多々あります。
ということで今回、辞典と言うのもおこがましいのですが「こんな言葉もありますよ~」的なものをいくつかピックアップしてみました!
ただし、ちょっとマニアックです(笑)!
それを知ってるから何なの?  と言われるとただハハハ・・・と笑うしかないのですが・・・(^_^;)。
まぁこれをきっかけに建築に少しでも興味を抱いていただければ幸いなのですが・・・!
とりあえずあまり為にならないということだけは最初にお断りしておきます(笑)。
それでは一般の方々だけでなく業界人にもほんのちょっと役に立つ(笑)[建築用語マニアック辞典]のスタートです!

東京都 多摩市 斉藤工務店オフィシャルサイト

『あ』
【蟻(あり)】・・・小さな黒い虫・・・ではなく(笑)、建築で言うところの【蟻】は木材同士を接合させる仕口の一種!
接合部の形状が蟻の頭に似た逆三角形になっていることからこう呼ばれている。
※用例「そこは蟻で仕掛けとけ・・・」
類義語としては【蟻継ぎ】。
【行って来い】・・・内法材などを取り付ける際に大工が使う技(わざ)の一種。これは呼んで字の如く、柱間に材料を取り付ける際に片側の柱側面に深い穴を掘り、対になる反対側の柱側面を浅く掘っておいて深い方の穴に差してから浅い方の穴に戻すという技法。
経験未熟の者がやった場合、行ったきり戻って来ないケースなどもある(笑)。
【馬】・・・建築現場で作業をする際に用いられる作業台。角材でガッチリ固定されたモノやベニヤなどで簡易に組み立てられるモノがある。
自分オリジナルの馬を[ディープインパクト]とか[オルフェーヴル]などと勝手に命名する輩もいないではない。
・・・コラーッ、馬違いでしょう(笑)!
【エプロン】・・・もちろん台所などで着用するあれではない(笑)。浴槽(特にユニットバス)の洗い場側に面する立ち上がり部分を差す呼称。たいていの場合、脱着可能。
※用例「エプロン外して配管結んどけ・・・」。その際いきなり花柄の前掛けなどを脱ぎ出したりしてはいけない(笑)!
【男にする】・・・主に建て方などの時に、平積みされた大きな梁材を本来構造材として掛かる向きに起こすことをこう言う。平に寝ている材料を90度回転させて重機で吊り易くするために行う作業。
では、平に寝ている梁材が女性なのかどうかは定かではない(笑)!
『か』
【軽子(かるこ)】・・・女性の名前ではない(笑)。墨壷や水糸の糸の先端部にある針の付いた瓢箪型のモノ。これを材料に差し糸の起点とする。
※用例「最近軽子(カルコ)の調子がイマイチなんだよね~」こんな事を奥様の前で呟くとあらぬ誤解を招く恐れがあるので、この言葉、使用上の注意が必要(^_^;)。
【木殺し】・・・木材の小口切断面を玄能(ハンマー)などで叩き湿気などによる木材の膨張を抑える技(わざ)の一種。
ただし、中途半端に叩くとその後蘇ってくる場合もあるので作業にあたる際はゴルゴ13並みの気構えでのぞむべし(笑)!
【グルニエ】・・・小屋裏に設けられた固定式の階段の付かない部屋の総称。元はフランス語。
※同義語・・・小屋裏収納、ロフト。
※用例 工務店との打ち合わせの際「我が家のグルニエにはこんな照明器具を使いたいんですよ」などと言えば、この御方只者ではない! と思わせる効果あり(笑)。
【源造(げんぞう)】・・・男性の名前ではない(笑)。和室などの内法材を取り付ける際に用いられる技(わざ)の一種。化粧柱間に材料を取り付ける際に、なんの細工もせずズバッと切って納める技法。ある意味潔い技ではあるが、柱に捻れがあったり材料が乾燥していないと木材の小口が透いて見えるため、技としてはリスクが高く上級者向けの技(わざ)の一つ。
※余談 その昔、大木源造(通称ゲンさん)という大工がこの技を得意としており、事ある如くこの技を使用し、廻りの者を唸らせていたとか・・・ただし、真偽のほどは定かではない(笑)。
【勾 股 弦(こうこげん)】・・・大工による差し金(さしがね)を使った規矩術で直角三角形の一つ一つの辺の呼称。なにやら中国っぽい響きを匂わせる言葉の通り、古来中国より伝わりし高等数学の一つ。三平方の定理を含め複雑な屋根の納まりを導き出せる優れモノの記号の一種。
建築業界でも大工以外にはあまり知られていないという秘伝中の秘伝。究極の奥義ような代物
『さ』
【猿】・・・モンキーにあらず(笑)。木製の雨戸に閂(かんぬき)状に取り付ける木製のロック機能の呼称。なぜ猿なのかは不明。モン・キー(鍵)だから・・・(笑)?
【地獄ホゾ】・・・土台もしくは横架材と柱を緊結するための仕口の一種。
柱のホゾ部分に縦の割れ目が入った柱を、土台もしくは横架材のホゾ穴の中で楔状に加工されたホゾ穴に差し入れる事によって、柱ホゾがホゾ穴の中で扇状に開き絶対に抜けなくなるという恐ろしい仕口!
途中で後戻りの効かない一発勝負のリスクの高い仕口。接合金物の進化した現代ではあまり使用されることはない。
※ちなみに【極楽ホゾ】という仕口はない(笑)!
【過ぎ山】・・・建築職人がある基準ラインを越えた時に発する言葉。もちろん日本地図のどこを探してもこの名の山はない(笑)。
※用例 建て方時、柱の垂直を決める際、垂直ラインを少し超えてしまった場合に「ちょい過ぎ山!」。
【背割れ】・・・柱の4面のうち1面だけに柱芯まで柱の上から下までの縦方向にノコ目を入れ、他の3面にひび割れや歪みを生じさせない加工の一種。
主に桧の化粧柱や丸太化粧柱にこの処理が施される。
背割れ面には自己犠牲の精神が宿り、この面を無闇やたらと粗末に扱ってはいけない(笑)。この面に対峙する際はしばし黙祷を捧げたのち作業にあたるべし(笑)。
【ゾーニング】・・・建築プランニングにおける作業工程の一種。建物全体を生活動線やライフスタイルにあわせ適切な空間に区切っていく作業。
※類義語 【間取り決め】。もちろん象は関係なし(笑)。
『た』
【耐力壁】・・・筋違いや構造用合板によって補強された壁。構造計算に基づき耐震基準を満たす壁。大工によってはこの耐力壁を作るためにえらく体力を使うため【体力壁】と呼ぶ者もいる(笑)。
※類義語【耐震壁】
【チーズ】・・・給水管や排水管に用いられるT字状の継手部材の一つ。カマンベールやチェダーといった銘柄は特にない(笑)。
※対義語【エルボ】(L型部材)。
【妻】・・・切り妻屋根側面の三角形に相当する壁面部分。ちなみに切り妻屋根の三角形端部のことを「ケラバ」と言う。
三角形でないほうは【流れ】と言い、残念ながら【夫】ではない(笑)。
【天カセ】・・・天井カセット(埋め込み)型エアコンの略称。天井部分に十分な懐がないと設置が厳しい代物。冷房時にかなりの効果を発揮する。
※壁掛け用のエアコンの場合はただの【エアコン】(笑)。建築図面上では【AC】と表記されることが多い。
【デンデン】・・・雨樋の縦樋を固定する金具。玩具のデンデン太鼓に似た形状のためそう呼ばれている。
カタツムリとの関連性は不明(笑)。
【鳥の子】・・・鳥の子供(雛)に非ず。襖紙の総称。鶏卵に似た色合いのためそう名付けられる。和紙の一種。【ひよこ】ではなくあくまでも【鳥の子】である(笑)。
※類義語【本鳥の子】、【新鳥の子】。
『な』
【海鼠壁(なまこかべ)】・・・左官仕上げの塗り壁の一種。瓦と漆喰によるヒシクロス(四半目地)模様の壁。漆喰目地の盛り上がった部分が水棲生物の海鼠に似ていることからこう名付けられる。似ているかどうかは意見の分かれるところ(笑)。蔵や土塀の壁に多く用いられていた。最近はあまりお目にかかれないが、イメージとしてはくら寿司さんの外観(笑)。
※同音異義語【ナマコ】・・・亜鉛鉄板の波型の板。
【ニッチ】・・・壁面に埋め込まれた飾り棚の呼称。珪藻土やスイス漆喰の塗り壁で仕上げた場合、ちょっとしたアクセントになり雰囲気が良くなる。
※【ニッチ】と聞いて“にっちもさっちもどうにもブルド~ック♪”などと思わず口ずさんでしまうと、廻りに40歳以上の方がいないと奇異な目で見られることがあるので注意が必要(笑)。
【濡れ縁】・・・主に和室掃き出し窓から外部に隣接する部分に設けられた木製のベランダ。雨に濡れてしまう縁側ということでこのような名前。
※類義語【ウッドデッキ】補足ではあるが、ウッドデッキも雨に濡れてしまうが【濡れデッキ】とは言わない(笑)。
【猫】・・・ニャンコに非ず(笑)。建築で猫と言えば一輪車のことである。基礎工事や外構工事で生コンを運搬する際に使用する。もちろん三毛だのシャムなどという区別はしていない・・・はずである(笑)。
※用例「使い終わった猫洗っとけ・・・」そこで勘違いすると引っ掻き傷を作ることになる(笑)。
【野地板(のじいた)】・・・屋根垂木の上に乗せる下地用の板。今は構造用合板が主流。野地板は当然勾配の付いた高所で貼るため、ある程度の
危険を伴う。30度(6寸勾配)を超える屋根の場合、無理とは分かっていてもスパイダーマンに変身したいと願う職人が多々いることを追記しておく(笑)。
『は』
【鼻隠し】・・・屋根垂木先端部の木口面に打ち付ける板。軒天を納めるのと雨樋を取り付ける際に必要とされる部材。語源的には垂木の鼻を隠すのでこのような名前が付いた(そのままやんけ~笑)。イメージとしては建物のマスクと思ってもらえば間違いない(笑)!
【火打ち】・・・建物の水平面に斜め45°で設置する部材。木製であったり鋼鉄製であったりする。これを入れることにより床面耐力が上がり耐震の一翼を担う。
現在は剛床(ごうしょう)という24ミリ以上の合板を細かく釘留めすることによって火打ちの替わりとしている。
なぜ火打ちと言うのか諸説いろいろだが、着物の袖と脇の間にある三角形の部分を火打ちと呼ぶことから由来しているのではないかと・・・。真偽のほどは定かではない。
【プレカット】・・・木造軸組工法の構造材を工場のコンピューター制御された機械で刻むこと。若い大工が自分で墨付け、刻みが出来なくなった一要因(笑)。「昔はおまえなぁ自分で一から十まで・・・」と言ってるベテランの職人にも実はありがたい代物であったりする(笑)!
【ベンチマーク】・・・建築図面上における任意の水準点を示す記号。たいていの場合道路縁石天端かマンホールといったような公共的な不動のモノで設定する事が多い。そこを基準に建物の地盤や階高を設定する。
通常図面上では【BM】と表記されている。
※言うまでもないが、その場所にドイツの高級車を駐車しておくという意味ではない(笑)!
【坊主面】・・・木材の面加工の一種。お坊さんの頭のように丸みを帯びた面の呼称。通常5~10Rぐらいの半円で加工される。「私の知ってる住職の頭ってどっちかというと台形に近いのよね~」・・・そう言われてもあくまで一般論である(^_^;)。
※同類語【銀杏面】、【瓢箪面】。
『ま』
【マグサ】・・・窓開口部下地における上部水平材の呼称。ちなみに下部水平材は窓台と称する。
※余談ではあるがアルミサッシの窓が設置されるところは建築図面上【AW】という記号で表記されている。さらにサッシ枠の寸法も数字で表記し、例えばワイド740、高さ900の窓は【07409】と表記される。だが、実際の窓下地は表記寸法よりワイドでプラス40、高さでプラス70広げた寸法で作らなければならない。表記寸法はあくまでも内法寸法であって広げた寸法が実際にすっぽりと納まる外法寸法なのである。
※用例「そこの窓下地06907で作っておけよ」といわれればワイド730高さ770に数ミリクリアランスをとった窓開口下地を作ればいいわけである。これであなたも明日から大工さん(^_-)(笑)。
【見返し】・・・部屋のほぼ中央から見えなくなる箇所。ミスター長嶋氏的に言えば「ビハインドスペース」(笑)。正面から見えないからと言っておろそかにしてはいけない場所。遊び心のある職人がこっそりと隠れアイテムを仕掛けたりする油断ならぬ場所でもある(笑)。
※対義語【見付け】
【無双(むそう)】・・・床の間に飾る掛け軸を吊り下げるための、L型金具を装填してある木製部材の総称。。主に床の間正面奥の廻り縁の下端に取り付ける。細長い木に溝が突いてあり若干ではあるが左右に可動出来るようになっている。
※麻雀の国士無双との因果関係は不明(笑)。
【面戸(めんど)】・・・和風屋根の化粧垂木間に挟める板。通常垂木の流れ方向の桁上に取り付ける部材。これを納めることにより外部からの風雨の侵入を防ぐ。
※作業が面倒だから【めんど】と言うわけではないらしい(笑)。
【母屋(もや)】・・・屋根垂木を受ける横架材の一種。ちなみにその母屋材を受ける柱のことを【束(つか)】という。
母屋があるなら父屋もあってしかるべきだが残念ながら存在しない。母は偉大なり(笑)!
『や』
【遣り方】・・・木造建築の基礎工事の指標となるもの。建物設置予定地点の外周部に杭と水平に回した水貫(みずぬき)という板で基礎の高さと配置を表したもの。
水貫のレベルより均等に下がった所が基礎天端で、水貫側面に基礎の立ち上がりが配置される墨が板の対称面に同じように記されている。
遣り方の詳細なやり方は現場にて・・・(笑)。
【ユンボ】・・・重機のパワーショベルの通称。主に基礎工事や外構工事に伴う地面の掘削に用いられる。
※同義語【バックフォー】、【油圧ショベルカー】。
※早口言葉用例「ユンボに乗ったビンボーなマンボウが乱暴にリンボーダンス」さぁレッツチャレンジ(笑)!!。
【寄せ】・・・落語に非ず(笑)。和室の畳と壁の間に入る木製の部材。通常畳の上端と平らに納まる。洋室における巾木に相当。
※謎かけ用例「寄せとかけまして几帳面な人のハンカチと解く。してそのこころは? どちらもタタミがいいでしょう!」お後がよろしいようで(だから落語じゃないって!)・・・(^_^;)。
『ら』
【ラッチ】・・・開き戸小口のハンドル側にあるスプリング式の金具。形状としては三角形のモノがほとんどで、ごく稀に蒲鉾型のモノがある。
ドア枠のラッチ側にある凹型の金具は【ストライク】。三つ並べば三振だ(笑)! 
扉を閉める際は三角ラッチの斜め部分が抵抗なくストライクに収まり、ラッチがストライクに収まっている間は三角の突端部が引っ掛かり、扉が勝手に開くことを防いでいる。開く時には、レバーハンドルもしくはドアノブを回転させることによりラッチを引っ込めオープンさせる。・・・とまぁ長々と説明するまでもないような仕組みなのだが(^_^;)、念の為に・・・(笑)。
※参考 トイレドアなどのラッチ上部に付いている施錠用の閂(かんぬき)金具は人呼んで【デットボルト】。生半端なことではこじ開けられそうもない名前である(笑)!
※会話用例 ラッチ交換時にたまに交わされるかもしれない会話。
「こっちのリッチなラッチ、そっちにマッチするように設置(せっち)してくれる!?」
「どっちのラッチだよ?」
「だからそっちのグッチの鞄にタッチしているラッチよ」
「でもあっちのラッチの方がこっちのラッチよりストライクをうまくキャッチしてるぜ」
「そんなことないわよ。も~このままじゃにっちもさっちも行かないわ。わたしの気持ちも察知(さっち)してよ!」
「分かったよ。こっちのラッチに合致(がっち)したリッチなラッチを設置(せっち)するよ。さぁさぁ君は邪魔だからこっちにおいでよ」
「キャッ、エッチ! どこ触ってんのよ・・・」バチッ(ビンタ音)!
・・・やっぱないか(笑)。
【りゃんこ貼り】・・・「にゃんこ」ではない。もちろん「ちゃんこ」でもない(笑)。定尺物(通常910×1820)の合板や天井のボードなどを貼る際に、継ぎ目ラインをずらして貼る工法。屋根の野地合板、床下地の剛床(ごうしょう)、天井の石膏ボードを貼る際によく用いられる工法。
910ミリ継ぎ目を横にずらして貼るケースが一般的。
なぜ継ぎ目ラインをずらして貼るかと言うと、材による一線過重を防ぐための措置である。材の継ぎ目は線なのに対し、継ぎ目以外では面なので過重を分散させる意味での工法である。
※対義語【一丁継ぎ】・・・継ぎ手を同一ラインにて継ぐ工法。
※前述の説明でも【りゃんこ貼り】をイマイチ想像出来ないという方は[あみだクジ]の図柄を90°回転してみよう! 
貼り上がり最終形はそんな感じ(笑)。
【ルーフィング】・・・屋根仕上げ材の下に敷く防水シート。現在はアスファルト製のモノが主流。
※施工要領・・・屋根勾配の低い方から高い方へと10センチ以上の重ねしろをとり、ステンレス製のステップルタッカー(ホッチキスの針状のモノ)にて屋根下地材に打ち付ける。ポイントはルーフィングを重ねる順番。これを逆にするとルーフィングの効力は全く持ってゼロ。それこそブーイングである(>。<)!
【レベラー】・・・レベリング剤の通称。生コンを固めた基礎立ち上がり天端に、不陸(ふりく)調整用 として用いられる特殊セメント。基礎立ち上がり用の型枠があるうちに厚み10ミリから15ミリ程度基礎天端に均一に流し込み、硬化後には摩訶不思議、ミリ単位の精度で水平になり基礎コンクリートと密着するという魔法のようなセメント。それにしてもレベラーの中で一体何が行われているのだろうか?
※勝手に想像用例 【レベラー部隊による基礎水平作戦】より。
「第一部隊、い通りからほ通りを固めろ! 第二部隊は一番通りから七番通り・・・」
「隊長、アンカーボルトが我々の行く手を阻んでおります!」
「先頭部隊を二手に散開させろ!」
「隊長、今度はホールダウンが立ちふさがっております!」
「第三部隊をホールダウン近辺の第二部隊の後方支援に回せ! ほらほら急げ! 時間がないぞ。 敵はすぐ硬化するぞ!」
「隊長、全部隊配置につきました!」
「コラーっ、そこの第二部隊、頭が出過ぎたぞ! レベルを保て! あと数時間の辛抱だ!」
・・・とまぁ、このようなことがことが我々の知らない間に基礎天端上で行われているのではないかと。・・・ひどい妄想である(笑)!
【LowーE(ローイー)ガラス】・・・ペアガラスの内側に特殊金属膜をコーティングすることにより、遮熱性能及び断熱性能を良くしたガラス。コーティングされた特殊金属膜により赤外線や紫外線をある程度遮断し、放射による熱伝導を低減出来るガラス。
LowーEとはLow(低い)Emissivity(放射)の略語である。
※悲しいかな、製品価格は通常のペアガラスに比べHighーE(値段)である(^_^;)。

『わ』
【ワークトップ】・・・ 人工大理石やステンレス、もしくはタイルで作られたシステムキッチンの天板の呼称。通称【トップ】。通常、床から80~85センチ程度の高さが使い易い高さとされている。たいていの場合、どのメーカーもこの部分の寸法に関してはオーダー可能。
この【ワークトップ】に類する用語で【ワークトライアングル】というものがある。これはシンク、コンロ、冷蔵庫の位置を三角形に置き換えたもので、調理における作業動線を配置化したものである。通常、トライアングルの各辺の総和が3~6mが作業能率の良い寸法とされている(個人的にはこの3点に“ゴミ箱”も加えたいところなのだが・・・)。
※【ワークトップ】に【ワークトライアングル】。これらの名の通りキッチンはまぎれもなく主婦(もしくは主夫)の方々の仕事場である。日々の業務ご苦労様です(^_^)!

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ハウスメーカーと工務店の違いⅠ

 
今回はハウスメーカーと工務店の違いについて考えてみたいと思います。
何を隠そう私(専務の斉藤)は某大手鉄骨系(今は木造もやっていますが)ハウスメーカーに勤めていたこともあり、多少なりとも内部事情も知っているので、個人的な意見も入るかもしれませんが、良い悪いは別としてちょっと考えてみたいと思います。
まずハウスメーカーの強みはなんと言っても資本力です。その資本力を生かして、住宅展示場を展開しているのは目に付くところでしょう。また、広告宣伝といったところも非常にお金を掛けているところでもあります。家を建てようと考えたときにまずぱっと目に浮かぶのがハウスメーカーというのはそんな広告宣伝力があるからではないでしょうか?
しかしながら、この展示場、広告宣伝には莫大な費用がかかるのも皆さんご存知でしょうか?展示場の出展費(地代)建設費、維持管理費などかなりの費用がかかりますし、広告宣伝費に関してはテレビCMしかり、雑誌やチラシなど年間数億円です。
対して工務店はどうかというと、一口に工務店と言っても1人親方でやっているところから年間100棟以上施工するビルダークラスまでさまざまですが、ここでは社員10人前後の
(弊社ぐらいの規模)の工務店と比較したいと思います。
当然?展示場はありません。ですから実際の現場を見ていただくしかありませんが、よく耳にするのは、展示場は大きすぎて現実味があまりない。実際のお宅を拝見することで生活のイメージが出来るとおっしゃる方も多く見受けられます。
また広告宣伝にも多くのお金を掛けられません。仮にお金を掛けたとすれば当然お客様の単価に跳ね返ってきてしまいます。近頃ではインターネットのホームページというものが出てきたので昔に比べれば皆様に知っていただく機会が増えたとは言えますが、一番のCMはお客様からの口コミです。今流行りのTwitterやfacebookもインターネット上の口こみ
といえるでしょう。利害関係のない第3者が言う言葉には信憑性があるのでしょうね。
上記のようにハウスメーカーにはさまざまな宣伝ツールが揃っていますので、完成がイメージし易かったりするかも知れません。我々は写真だったり、現場だったりとお伝えする材料が少ないのでイメージしにくいかも知れませんが、二つとして同じものは無いので出来上がったときの感動もひとしおかと思います。
ハウスメーカーの良い点として、大手だから安心という方がおられました。確かに倒産さえなければ、保証の面などしっかりとしているでしょう。しかし皆さん漠然と大手企業だから安心と思われているかと思いますが、細かい対応はどうでしょう。担当していた営業マン、現場監督が移動や転職でいなくなってしまったり、大手ゆえに決済が遅れて対応が悪くなったりということがないでしょうか?その点地元の工務店は何かあればすぐに飛んでいける距離にあります。保証の問題も今は瑕疵担保責任の履行が法律で義務付けられていますので、工務店が万が一倒産のときでも消費者が守られる仕組みが整っています。
さて、今回はこのくらいにしておいて次回のコラムではもう少し掘り下げていきたいと思います。  

家づくりコラム
大工ツールコレクション

大工ツールコレクションⅧ

かつて電動機械がなかかりし頃の大工さんは、大量の釘を口一杯に頬張り、それを目にもとまらぬ速さで材木に打ち付けていたとかいないとか…。

以前このシリーズで書いたように、現在はビスを使用するケースが多くなりましたがそれでも釘を大量に使って材料同士を結合しなければならない場所も多く存在します。
例えば屋根の野地板や外壁部の構造用合板、床下地の合床などなど‥。

これらの場所は1,000本単位の数で釘を打ち込まなければならず、それらを一本一本手で打っていれば時間と体力がかなりかかります(^。^;)。

そこで人差し指一本を動かすだけで高速連射出来る【釘打ち機】というマシンが必要なわけです。
という訳で今回の大工ツールは【釘打ち機】及びその周辺機械をご紹介いたします!
釘打ち機

ご覧のように釘打ち機と言っても多種多様です。
一般的に使用される50ミリ以上の釘を打ち込む釘打ち機はワイヤーで連結されたロール状の釘を一本一本射出する構造になっています。一つのロールには約100本近くの釘が連結されています。
つまりリボルバー拳銃のように釘打ち機に一本一本釘を装填するわけではありません。これでは手で打った方が早いということになるので‥(^^;)。

ワォ‥タケシくん、そうやって構えてトリガーを引いても弾は出ないから‥。
それにこのツールは18歳未満使用厳禁ですから。
(まぁ銃刀法違反で捕まることはないと思いますが‥^-^;)!
とりあえず早く高校を卒業して斉藤工務店に勤めなさい。そうすれば使えるから(笑)。

実はタケシくんにも言ったように釘打ち機だけでは釘を打つことが出来ません。
殆どの釘打ち機は【エアーコンプレッサー】という空気を圧縮する機械にエアーホースを接続させることによって初めて使用可能となるわけです。
コンプレッサー

これがその【エアーコンプレッサー】。

悲しいかなこのコンプレッサーがなければ釘打ち機もただのモデルガンのようなものです。殆どの釘打ち機はエアーコンプレッサーとセットで使用します。
今は機械自体が軽量化されましたが、かつてはウェイトリフティングにのぞむような覚悟がなければとても持ち運びが困難な代物でした。
ある意味手で釘を打つよりも体力を使ったかもしれません(笑)。
現在は片手で持ち運び出来るほど軽量化が進み、気軽に移動が可能です。
その点はよいのですが、簡単に持ち運びが出来るようになった分だけ盗難率も飛躍的に上がりました(^_^;)。
なにしろ高額な機械で使用頻度も高いゆえ現場などに放置しておくと盗難されるケースが多々あります。

タケシくんも家の戸締まりは忘れずにね!

それはさておき、このエアーコンプレッサーにエアーホースを繋ぎ釘打ち機と接続させれば思う存分釘を打てます(^_-)!

エアーホースには常圧用と高圧用の2種類があります。
一台のエアーコンプレッサーに常圧用タンクと高圧用タンクの二つが内蔵されています。
コンプレッサー

 
太く長い釘を打ち込む時などは圧力を高めた高圧用のホースで高圧専用の釘打ち機を使い、一瞬のうちに釘を打ち込みます!
細く短い釘などは常圧用で十分です。
 
一口に釘打ち機と言ってもいろいろな種類のマシンがあります。

太く長い釘が打てるモノ、シートで連結されたスクリュウーネイルを打てるモノ、フローリングなどを固定するためのステップルを打てるフロアータッカーというモノ、化粧材などをとめるフィニッシュネイル、ピンネイルなどの釘が打てるモノ、などなど‥。
適材適所で使い分けて使用します!

その他にも釘打ち機ではありませんが【エアーガン】なる代物もあります。
エアーガン

もちろんサバイバルゲームなどで使うあれとは違います。
ノズル先端部より圧縮された空気が噴き出るだけです。
よく海水浴場やプールなどで浮き輪やボールなどを膨らませる時などに使ってたりします。見たことありません?
ちなみにこのツールは18歳未満でも使用可です(笑)!

我々が現場で使う時はおもにエアーダスターとして使用します。秒速25メートル(推定!?)の風が細かい埃などを一瞬の内に吹き飛ばします。
その他の使用方法としては夏の暑い時などに扇風機替わりとしても使用可です(^_^;)。
まぁ涼しさの代償として息苦しさと若干の痛みを伴いますが‥(笑)。

とにかく現代の大工さんたちにとっては釘打ち機とエアーコンプレッサーは欠かせぬアイテムなのです!

と言うことでこの【エアーガン】でタケシくんと射的対決をする事になりました!!

ち、ちょっとアナタ身を乗り出し過ぎ‥‥(^_^;)。

それではまた‥‥。

家づくりコラム
大工ツールコレクション

大工ツールコレクションⅦ

正確にまっすぐな直線を引く。
この作業をフリーハンドで行う。
 
・・・限りなく至難の業ですね。というよりミッション・インポッシブルです(笑)。
 
我々の身を置く建築業界ではこの《直線》というやつが至るところに存在します。極端な話我々の造る木造家屋に於いては99%直線で構成されていると言っても過言ではありません。
 
で、材料にもその都度直線の墨を付けなければならないケースが多々あるわけです。その際フリーハンドがダメなら道具を使うしかありません。
短ければ以前このシリーズでご紹介した《差し金》などを使ったり、1メーターぐらいの直線であればそれなりの定規を使えば正確な直線を引く事が可能です!
ですが、それ以上の直線を引くとなると正直定規だと苦しいところです(^^;)。
 
と言う訳で、今回のツールアイテムは長い《直線》を材料に引ける【墨壺】をご紹介いたします。
 
墨壺
 
基本的に現在使用されている多くの【墨壺】は簡易に長い直線を墨打てる道具です!
 
写真には何種類か写っていますが機能は全て同じです(黒っぽいちょっと変わった形のやつだけが昔ながらの、と言うか本来の墨壺です)。
 
使い方は起点となるポイントに《カルコ》と呼ばれる針状のモノを打ち込み、壺から糸を引っ張り出し終点となるポイントで糸を押さへ、糸をつまみ上げるように持ち上げパッと離す。
これで材料に直線の墨が鮮やかに打たれる訳です!
 
ただ違うのは墨の色です。状況に応じて使用する墨汁の色を変えていきます。
 
基本はブラックです。もちろん無糖です。たぶん・・・(笑)。
この墨はたいていの材料にくっきりとラインを引けます。
 
次に朱墨(しゅずみ)。
赤というよりオレンジ色に近いです。
暗色の下地や石膏ボードなどに墨を打つときなどに使います。
 
他には消える墨汁!
 
これはどういうものかと言うと色的には紫色のラインなのですが、墨を打ってから数十分するとあら不思議!  墨付けた紫のラインが徐々に消えていきます。
 
化粧の丸太柱の芯墨やフローリングの化粧面などに致し方なく墨を打たなければならないケースに使用します。
墨の濃度によっては数分で消えてしまうので、もたもたしていると肝心な時に使えない事もあります(^_^;)。
時間との勝負ですね。
 
大きな声では言えませんが、言わば大工の秘密工作ツールというわけです(どんな秘密ですかっ)!
 
それと大工さんはあまり使いませんが白墨(チョーク)が打てるチョークラインなどという墨壺などもあります。
 
 
本来墨壺という道具は木材の墨付け時に使用する道具でした!
 
書道における硯のような役目を果たします。
筆にあたるのが《墨さし》と呼ばれる竹で出来たヘラ状のものです。 
 
この墨さしを墨壺に浸し木材に墨を付けていくわけです。
 
墨壺の形もさまざまです。亀を模したものや、龍を模したもの、変わったところでは『河童』をイメージした墨壺などがあります(これ、見たくなりません? 河童ってどんな姿でしたっけ?)。
 
 
とにかくかつての【墨壺】は工芸品としても価値のあるものが多数存在します。
 
墨壺はかつて(遥か昔ですが・・・)大工道具の3種の神器でした!
[差し金]、[手斧(ちょうな)]、[墨壺]と、みな墨付けと刻みに使われる道具です。
その中の【墨壺】にはこんな逸話があります。
 
明治時代に行われた東大寺南大門の修復の折りに 高い梁桁の上から一台の墨壺がそっと隠されるようにして置かれていたのが発見されたそうです。
あまりそのような場所では墨壺などは使わないことから、大工がわざと忍ばせたのではないかと・・・。
つまり一世一代の仕事を成し遂げた大工の棟梁が己の誇りと、ささやかな記念として当時としては大工の魂ともいえる墨壺を残してきたのではないかと・・・。
もちろん推察ですが、うっかり忘れたとか不法投棄ではないと思います(笑)。
 
いや~粋ですね!
自分も今度屋根裏にインパクトドライバーでも置いてこようかな…(笑)。
 
 
ところでタケシくん、その消える墨汁で宿題のノートにイタズラ書きをするのはやめましょう!
そういう使い方じゃないから…(笑)!
 
それではまた…。

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