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家づくりコラム
妄想の私的住宅事情

妄想の私的住宅事情7【廊下&階段】

 

「あ~、ただ通り過ぎるのを見送るだけ・・・それが俺たちの運命なのさ!」
 階段や廊下たちがそのように嘆いているかどうかはともかくとして、住宅におけるこれらのスペースは、通路としての役割を担っている場所だ。逆にそれ以上の存在理由が見当たらないちょっと淋しいスペースでもある。
 そこで我々は【階段・廊下地位向上委員会】なるものを発足することにしたわけである。
 そもそも”廊下”という呼び方が住宅のカースト制度(!?)においては下層に見られがちな名前である。これからは”廊上(ろうじょう)”と呼ぶことにする(勝手に改名・・・笑)。
 部屋と部屋を繋ぐ廊上は居心地の良い空間でなければならない。ただ通り過ぎるだけではなく、ふと立ち止まりたくなる趣向を凝らせばどうだろうか。家中の絵画や写真、カレンダー、冷蔵庫などに貼ってある子供の学校の予定表、スーパーの特売品のチラシ、あれば各種表彰状(なければ卒業証書でも可)等々・・・。
 もう私設美術館の様相である(^^;)。通常あまり明るくない廊上だが、ここは床面にLEDライトを空港の滑走路のように埋め込み、天井にはライティングレールにスポットライトを取り付け、作品をライトアップ! 壁にニッチを設けるのも素敵だ。上部に小さなダウンライトを埋め込むとさらに作品が引き立つではないか。
 たまに展示物を入れ替えてあげれば飽きも来ないだろう。来客が来た場合には通行料として入場券も渡して頂きたい。おいそれとは通り過ぎないだろう・・・(笑)。
 これで”廊上”の地位は2ランクアップするはずである。
 
 次に”階段”だがここも普段はなかなか立ち止まらない場所である。これが108段ぐらいある階段なら途中で嫌が上にも立ち止まりたくなるのだが(^^;)、たいてい多くて15段だ。
 ならば段板に特殊なセンサーを埋め込み、踏むと体重が測定されるとか、サーモセンサーで体温も測れて心拍数も計測されるとか・・・。これなら健康管理もバッチリだし、立ち止まりたくもなる。また、家族の間で階段の登り降りのタイムを競うのも良い。0,1秒まで計測可能だ。優勝者にはその日のおかずが一品多く与えられるとか・・・。
 段板一段ごとに違った音楽が流れるのも楽しい。今日の気分は”ボサノバ”だな、というときは5段目でしばらく立ち止まっていれば良いわけだ。明日は7段目の”クラシック”にするか・・・とかね(笑)。これだと駆け足で通り抜けると何を聞いてるのか分からない(笑)。最低3分は立ち止まりたい。忍耐力が必要な階段である(>_<)。

 または階段自体に特殊な仕掛けを施し、降りる時は蹴込み板が自動ではずれ、滑り台状態になれば毎日公園気分を味わえる。もちろんこれを登りでやるのは自殺行為だ(笑)。滑り降りるのもある程度の訓練は必要だと思うが・・・!
 これで”階段”の階層は3ランクアップする事間違いなしだ!

 という訳で、我々【階段・廊下地位向上委員会】の闘いはまだまだ続くのであった・・・(^_^;)。
 

家づくりコラム
妄想の私的住宅事情

妄想の私的住宅事情6【リビング】

 家族が集い、安らぎと癒しを得られる場所、それがリビングだ。英語的には間違っている気がするが語感的、意味合い的には”生(ライブ)”の現在進行形ということにしておこう(笑)。
 リビングと呼ばれる空間はたいていの場合、家の中心に位置する。しかも日当たりの良い南面に位置することが多い。もちろん何らかの事情により、北側の日の当たらない片隅や、玄関を開けていきなり「こんにちは」的なスペースにリビングを作らざるを得ないケースもあるかもしれないが、作ってはいけないなどという法律はない。だが、ほとんどの方が南面に面した家の中心部分にその場所を配置する傾向がある。
 だか、いくら南側の日当たり良好な場所とは言え、リビングスペースが畳3帖ほどの大きさというのも如何なものかと・・・。これもまたもちろんのことだが何帖以上でなければリビングと呼んではいけない、などという法規はない。【3帖リビング】・・・(^^;)。

 4人家族と想定してもテーブルを置いてきちきちである。TVは壁掛け限定。ソファーなどはもっての他だ。しかも誰かが席を立つ際は、進行方向にいる人は一度席を立って場所を開ける必要に迫られる。これでは新幹線の座席か飛行機のエコノミークラス状態ではないか(笑)。
 それでもデメリットばかりではない。家族の距離がぐっと縮まるという効果もある。まさにフェイストゥーフェイス! 身動きの取れない親密な時間の共有は、家族の絆をいっそう深めてくれるはずである。
 そうはいっても3帖リビングにおけるテーブルの空間占有率は誠に高過ぎる。ここはせめて”卓袱台(ちゃぶだい)でいきたいところだ。卓袱台とはかつてリビングが【お茶の間】と呼ばれていた頃、どこの家庭にもあったであろう”昭和”の遺物的座卓テーブルのことだ。
 高度成長期のお父さんたちのストレス発散必須アイテムである(これもまた多少偏見入ってます・・・笑)。何か気に食わぬことがあればこれを勢い良くひっくり返せばよいのだ。奥義【卓袱台返し】である。今は当然NGだ(笑)。
 3帖ほどの空間なのでやたらと冷暖房効率が良いのも魅力の一つだ。冬などは鍋料理でもすれば暖房すらいらないほど温まること必至である。
 夕飯も終わり、一家団欒の折りには卓袱台にキャンドルでも灯し、お茶(お茶の間だしね・・・)でも飲みながら今日の出来事でも語り合えば、さらに家族の連帯感が強化されるはずである。
 
 ただし、3帖リビングの場合、お客様が来たときにはかなり人口密度が上がるので酸欠には十分注意して頂きたい(^_^;)。
 
 

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妄想の私的住宅事情

妄想の私的住宅事情5【キッチン】

 

 住宅における”キッチン”という空間は、食事を作ったりその後片付けをするためだけに存在する特異な場所である。
 もちろんキッチンに布団を敷いて寝ても誰も文句は言わないと思うがわざわざそこで寝ることもないだろう! キッチンにはキッチンとしての存在意義、もしくは役割というものがあるのだ。
 その役割とは前述したように食事を効率良く作るためのスペースだ。そのためにシステムキッチンがあり、食器棚があり、家電収納(電子レンジや炊飯器)や冷蔵庫がある。
 それらは全て料理を作り、後片付けをするための必須アイテムみたいなものだ。そこにソファーや布団があっても邪魔なだけだ。ただし、椅子だけは欲しい! 何故料理や洗い物を立ってやらなければならないのだろうか? 座ってやって何故悪い。第一、立ちっぱなしでは疲れるではないか(笑)。
 椅子もキャスター付きの回転式のやつが望ましい。しかも座面はやや高め。キッチンのトップの高さも通常より低め設定だとありがたい。机サイズまで下げると収納スペースが減ってしまうのでH=800ぐらいが良いのではないだろうか。
 座りながら料理が出来るので煮込み料理などの時間のかかる作業も苦ではなくなる。もうゆったり座りながらスマホを見たり、音楽を聴いたり、読書だって出来るではないか。
 座ったまま冷蔵庫を開けてモノを取り出すのはかなり苦しいが、そのぐらいは立って取り出してもらおうではないか(笑)。
 高い位置にある吊り戸棚のモノでも椅子を踏み台代わりに使えばよろしい。ただしその際は回転の固定をお忘れなきように・・・アイススケートのスピン状態必至なので・・・(笑)。
 ただ、椅子がそのままそこにあるとやはり邪魔である。キャスター付きの椅子なのでフットワークを上手く使えば配膳も座ったまま🆗! 食事をするときはその椅子をダイニングテーブルに座ったまま移動すれば丸く納まるというものだ。家族全員がこの手の椅子にしておけば食器の後片付けも楽である。車椅子の方にも抵抗が無いはずだ。
 
 ただし一度にキッチンへ殺到すると狭いスペースなので渋滞注意だ(笑)!
 
 

家づくりコラム
妄想の私的住宅事情

妄想の私的住宅事情4【浴室】

 

 前回の【トイレ】編では無くてもいいモノなどと書いてしまったがやはりあるに越したことはないのが【浴室】もしくはお風呂場である。ここはたいてい洗面脱衣室と一対で取り扱われるスペースである。まな板と包丁のようなものだ(笑)。
 一般住宅ではまずないが浴室と洗面脱衣室が離れているところがある。それは秘湯の温泉! 脱衣室から延々とほぼ裸のまま湯船へと向かう行程は、気恥ずかしさと妙な期待感が入り交じった複雑なものだ。その気分を味わいたい方は是非間取りに組入れて頂きたいがそういう方はごく少数であろう(^_^;)。
 今回は洗面脱衣室&浴室をセットで考えてみたい。
 そもそも切っても切り離せないこの2つのスペースが、隣接しているとはいえ別々のスペースにあるのがもったいない! 浴室と洗面脱衣室という2大水廻りスペースが上手く共存出来ないものだろうか?
 基本この2つのスペースは”洗う”ということに特化した空間である。ここをシンプルにまとめられないだろうか!?
 たいていの場合、洗面脱衣室には”洗濯機”という家電が置かれている。もちろん”衣類”を洗うモノだが”衣類”が洗えるのだから人間の体だって根性で洗ってもらおうではないか(無理、無理・・・笑)。
 さすがに洗濯機の中に人間が入るのは憚れる(笑)。ドラム式などで試みようものなら、さしづめマジックの水中脱出ショーさながらの様相を呈するのが落ちだ。では人間も洗えるのだから衣類ぐらい洗えるだろうという発想で行こうではないか! 
 浴槽に洗濯機機能が付いていればいいわけだ。まず洗い場で服や下着を脱ぎ浴槽に放り込む。後は全自動だ。衣類を洗っている間に自分の体も洗えば良い。時間のない方は服を着たまま湯船に浸かっていればよろしい! 洗濯も風呂の残り湯を使うまでもない。服も体も丸洗い! 一石二鳥だ。だがその際、脱水、濯ぎの試練に耐えられるのかが問題なのだが・・・(笑)。まぁこれも慣れということで・・・(笑)!
 洗濯された衣類は、超強力な乾燥機で乾かせば良い。乾燥機の吹き出し口の真下にくればドライヤー代わりにもなる。乾燥機を掛けることによってお風呂の黴も予防出来るだろう。もういっそうのことドライサウナ仕様にでもすれば完璧だ。
 浴室にはたいてい鏡も付いているので歯を磨いたり、身だしなみを整えることだって出来る。
 あとは浴室の外に畳1帖ほどのスペースがあればバスタオルで体を拭き、服を身に付け、体重計に乗り、足つぼマッサージマットを痛いながらも踏みしめる。冷蔵庫など置ければキンキンに冷えた瓶の牛乳(もしくは明治のフルーツ牛乳[※現在販売中止のはずだが・・・])を腰に手をあて飲んでも様になる。もう毎日が銭湯気分である!
 
 ただし、現状の技術でこれをやろうとすると光熱費が馬鹿にならないとだけ追記しておく(^_^;)。

家づくりコラム
建築職人ガイドブック

建築職人ガイドブック18番外編【外構屋】いよいよ最終回

【外構屋】

前回で新築工事における建築職人さんたちをだいたい紹介させて頂いたのですが、今回は番外編(ボーナストラック的なモノ)ということで、家の外を工事する外構屋さんを取り上げたいと思います!
実は外構も家の一部というか付随する大事なパーツであります。
例えば、門扉、ブロック、フェンス、駐車場、植栽等々・・・。これらを総称して”エクステリア”と呼びます。
外構屋さんは家の外回りを美しく彩る職人さんです。
外構屋さんはまず土を掘ります。スコップ等の手で掘ることもありますがたいてい”ユンボ”と呼ばれるショベルカーで掘ります。熟練の職人ともなるとユンボの爪の先に毛筆を貼り付け【謹賀新年】と書き初めが出来ると言います(真偽のほどは定かではありませんが・・・笑)。
ブロック等も水平はもちろんですが糸を張ったように一直線に積んで行く技術が要求されます。
そしてコンクリート技術にも長けていなければなりません。”生コン”と呼ばれるセメントと砂利と砂を混ぜたモノを固まる前にキレイに仕上げなければなりません。その日の気温や湿度、天候などによって仕上げ方が変わって来ます! コンクリートの性質を熟知していなければ出来ない作業です。
外構でも”植栽”となると図面上の数字だけでは推し測れません。もうこの辺は感覚的なモノなので職人さんのセンスが問われる所です。
家を訪れて最初に目に入るのがこれらのエクステリアなのでとても重要な役処です。その家の第一印象を決めてしまうモノなので・・・。

もし許されるなら駐車場のコンクリートの上にでもユンボの爪の先で”Welcome”と彫り込みを入れてもらいましょうか?(^_^;)。

 

今回が【建築職人ガイドブック】の最終回です。ご愛読ありがとうございました。現場でこれら職人さんたちを見かけたら、どうか労りと励ましの声を掛けてあげて下さい!

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